愛しの Fortran・3改

Fortran について気の向くままに綴ります

書式付き流れ探査入出力 (その1b)

時期は熟した? 余談

「説明していきたいと思います」と前回結んでおきながら、背景の話とかが好きなのでいきなり余談になります。

Fortran 2008 までは「書式付き流れ探査として接続されている場合」「ファイル中のファイル記憶単位を読んだり書いたりすることは、書式付き流れ探査入出力文によってだけ行える」という規定がありました (Fortran 2008 では 9.3.3.4、2003 では 9.2.2.3) が、これが Fortran 2018 では削除されています (12.3.3.4)。前書きの Fortran 2018 での変更点でも言及はありません。

この規定を削除したとしても、他の規定から、書式付き流れ探査として接続した装置で書式付き流れ探査入出力以外の入出力が規格外になるのは明らかです。

これは Fortran 2018 で同じファイルを同時に複数の装置で読み書きすることが許容された(ただし結果は処理系依存)からの遠回りな措置なのか(つまり、一方の装置で書式付き流れ探査に接続し、他方の装置に同時に書式付き流れ探査で接続して入出力することを禁止しないため)、他の規定と重複するので不要と判断されたのか、意図せず削除してしまったのかのかは判りかねます。

順番探査での接続についての「このファイルの記録を順番探査入出力文以外によって読んだり書いたりしてはならない」はそのまま残されています。

(つづく)